トイレのスペースのサイズを広げるには大掛かりなリフォームが必要ですが、実はそのままの空間でも広く見せることはできます。トイレ（便器）、収納のタイプ、内装などを工夫してリフォームすれば、最小限のトイレスペースでも快適な空間にすることができるのです。
ここでは、トイレのリフォームを検討されている方に向けて、広く見せるための便器や収納の選び方、リフォーム事例などについてご紹介します。

トイレをリフォームするにあたって最初に行うのは、現在使用しているトイレのサイズを測ることです。必要な寸法は、個室の間口、個室の奥行、便器の奥行の3種類。これらのサイズを知ることで、どのようなスペースのリフォームができるかが決まります。

なお、トイレのリフォームを考える際、ほかには、今使っている便器の排水形式等によって、使う便器が変わってくることがあります。

広ければ良いというわけではなく、トイレには「使用に適した寸法」があります。例えば、便器からトイレットペーパーまでの最適な距離は一般的に15～20cmで、それ以上でもそれ以下でも使いにくくなるといわれています。また、衣類を着脱するには便器前に50cm以上のスペースが必要です。個室内がどんなに広くても、便器前から壁までの距離が短いと、やはり不便さを感じることになってしまいます。

これらの寸法を意識しておくと、理想的なトイレを作ることができます。

トイレのスペース（広さ）は、大きく分けて4種類です。それぞれどのような空間を作ることができるのか、イメージ写真とともにご紹介していきます。なお、戸建て住宅やマンションの造りによってはスペース（広さ）が異なる場合もあるため、寸法はあくまで目安とお考えください。
※サイズ寸法は、壁芯～壁芯の寸法で記載しています

一般的なスペース（広さ）＝1帖（91cm×182cm）

戸建て住宅のトイレに見られる標準的なスペース（広さ）は、1帖（91cm×182cm）です。便器に座った際に前方の壁とのあいだに余裕があり、窮屈さを感じません。手洗い器や収納スペースを設ける場合、このくらいの広さが必要です。

最小限のスペース（広さ）＝約0.8帖（91cm×150cm）

マンションなどの集合住宅で多く見られるスペース（広さ）は約0.8帖（91cm×150cm）です。タンク付きの便器を置くとやや圧迫感がありますが、便器に座ったまますべての方向に手が届くという便利さもあり、機能的には十分な広さです。

少し広めのスペース（広さ）＝1.25帖（113cm×182cm）

大きめの便器を置いても、空間にゆとりを感じられるスペース（広さ）は、1.25帖（113cm×182cm）です。手洗い器や収納スペースも無理なく設置できるほか、飾り棚を作ったり、インテリアにこだわったりと、自由な空間づくりを楽しむことができます。

バリアフリーにも対応できるスペース（広さ）＝1.5帖（136cm×182cm）

車いすでの利用や介護者との入室を考えているなら、トイレのスペース（広さ）は1.5帖（136cm×182cm）がおすすめです。壁に手すりを取り付けることもできるので、高齢者のいるご家庭にもおすすめです。カウンタータイプの手洗い器や広めの収納を置いて、ラグジュアリーなトイレにしたいというご要望にもお応えできます。

トイレのスペースを拡大するには、大掛かりな工事が必要になります。しかし、ちょっと工夫をすれば、簡単なリフォームでも開放的な空間を作り出すことは可能です。トイレをより広く見せるための、リフォームのポイントをご説明します。

コンパクトなトイレ（便器）を選ぶ

一般的に、トイレ（便器・便座）のサイズは標準と大型の2種類あります。より広い空間を確保するなら標準サイズがおすすめです。また、最近増えている「タンクレストイレ」は、手洗いタンク付きの製品に比べて奥行で5～10cm、高さで40～50cm程コンパクトなので、タンクがない分圧迫感がなく、すっきりとした空間に仕上がります。

手洗い器を壁付けにする

手洗い器を設置する場合、据え置き（カウンター）タイプではなく、壁付け（ブラケット）タイプを選ぶと場所を取りません。特に、コーナーに設置するタイプは省スペースで、狭いトイレにも最適です。

2022住宅設備機器総合カタログ より

収納スペースを設置する

掃除用具やトイレットペーパーのストックは、床などにそのまま置くと雑然とした印象になるので、収納スペースにまとめた方が広く感じられます。小さめなトイレ空間には、壁付けタイプや壁に埋め込むタイプの棚、吊戸棚など、空間を邪魔しない収納がおすすめです。

壁紙や床を明るい色にする

明るい色や淡い色には、空間を広く感じさせる視覚的効果があります。白やベージュ、パステルカラーなどを壁紙や床に取り入れるだけで、より広い印象を与えることができます。柄物を取り入れる場合、大きな柄は圧迫感をもたらし狭さを際立たせてしまうので、小さめの柄を選ぶのがおすすめです。

照明を明るく、光が広がるタイプにする

「トイレは薄暗いほうが落ち着く」という方もいらっしゃいますが、広く見せたい場合はやや明るめの照明をお選びください。間接照明を壁に設置するより、光が全体に広がるタイプの照明を天井に設置したほうがより効果的です。

トイレはリビングやダイニングに比べて滞在時間が短いものの、毎日必ず利用する大切な場所です。心から安らげる気持ちの良い空間づくりのために、便器や内装、設備などを工夫して広く開放的に見せるリフォームをしてみませんか。
「今よりも広々としたトイレにリフォームしたい」とお考えの方は、ぜひBXゆとりフォームにご相談ください。経験豊かなリフォームアドバイザーが、現在のトイレのスペースサイズやお客様のご要望に応じて最適なプランをご提案いたします。